コロナ放電式イオナイザと呼ばれる静電気除去装置に関する研究を行っています。この装置は電気を帯びた粒子(荷電粒子)を発生させる装置で、電子機器などの製造工程をはじめ、様々な場面で静電気を中和するために利用されています
ICなどに使われる半導体は身近な機械に必ずと言っていいほど利用されています。この半導体は高性能化のために、どんどん微細化されていますが、細かくなるほど静電気によって流れる電流によって簡単に壊れてしまいます。この問題を解決するために、イオナイザを利用しますが、イオナイザ自身も荷電粒子を発生させて静電気を中和しているため、完全に静電気をなくすことはできません。できる限り静電気をなくすためには、荷電粒子がどのような動きをしているのかを理解する必要があるため、この研究を行っています。
針状の電極に高電圧を印加すると、コロナ放電と呼ばれる放電現象が発生します。この時に、荷電粒子が作られ、これが静電気を帯びたものとぶつかり、逆極性同士だった場合に静電気が中和されます。私の研究では、様々な条件において、放電で生成された荷電粒子の量や測定対象物の電位を測定することで、空間中の荷電粒子がどのように動きを行っているか調べています。
交流を利用したコロナ放電では、印加電圧波形、周波数、風速などによって対象物の帯電が大きく変化することがわかっています。特に、周波数による影響は顕著で、低周波から高周波にかけて、ある周波数までは帯電電位が小さくなり、ある周波数を境に周波数が増加すると帯電電位が急速に大きくなる傾向があることがわかっています。このほかにも、空間中の荷電粒子の動きについて、多くのことがわかってきています。
実験装置